眠りには浅い眠りと深い眠りがあって、それぞれレム睡眠とノンレム睡眠と言いますがどちらかが優位ということではなく2つの睡眠のバランスが取れていてこそ「良質な睡眠」となります。
まず簡単にそれぞれを比べると、レム睡眠時には身体を休めてノンレム睡眠時には脳を休めているとされています。
そしてこの2つの睡眠は一晩に4~5回繰り返されますが1回の時間はおよそ80分~120分となっていて個人差があります。
90分のサイクルで起きると目覚めが良いと言われていた時期もありますが、実は個人差があるのでそうとは言い切れないことが最近は分かっています。
ノンレム睡眠が大切な理由
ノンレム睡眠が大切な理由の中で1番は「成長ホルモンの分泌」ではないでしょうか。
成長ホルモンは、子供にとってはその名の通り「成長」させるためのホルモンで大きくなるためには欠かせません。体を作るホルモンが増える、骨が太く長くなる、筋肉が大きく強くなる。など
寝る子は育つ、は本当なんですね(^_^)
そして大人にとっては、細胞の修復をしてくれるものであり、日中の心身の疲れを取りストレスを解放する、老化の進行を抑制する、などの役割があることから「脳を守る」睡眠であるとされています。

ノンレム睡眠は4段階。ステージ1~4。一番深いノンレム睡眠はステージ4。
この「深いノンレム睡眠」は眠りはじめに訪れます。なんとなく浅い眠りからスタートするような気がしますが実は入眠直後が深い眠りです。
入眠直後に訪れる「深いノンレム睡眠」
先ほどお伝えした「成長ホルモン」の80%ほどがここで分泌されます!
さらに、この最初の深いノンレム睡眠の質が下がると分泌量も大幅に減ることがわかっています。なのでいかにして最初の深いノンレム睡眠をしっかり眠ることができるか、という事が大切になります。
また深いノンレム睡眠では記憶の消去や(レム睡眠でも行われる)
新しい記憶の定着(これは海馬から大脳皮質に送られることで定着します)
が行われるので良く眠ることで見聞きしたことや学習が記憶として定着しますし嫌なことを忘れる為にも大切です。
レム睡眠が大切な理由
レム睡眠は浅い眠りで脳波も起きている時とほぼ変わらないのですが、全身の筋肉は全く力が入っていない状態。
夢を見る睡眠という認識の方も多いと思います。
体を休める為に大切なレム睡眠ですが他にも役割があります。

レム睡眠の大切な役割の一つは脳に蓄積された情報の整理と記憶の固定作業。
レム睡眠で見る夢には意味があり「その日に感じた感情」に関わる夢を見ることで嫌な事や悲しい出来事に対して「記憶の消去」を行っている事がわかっています。
辛い出来事に対して、時間が解決してくれるとよく言われますがそれはレム睡眠が担ってくれているのかもしれません。
レム睡眠と関係する感情の処理
また、レム睡眠の間は「ノルアドレナリン」の分泌が唯一分泌されない時間。
これはどういう事かというと24時間の中で「不安を誘発するホルモン」が完全に脳内からなくなるのはレム睡眠の間だけ、という事。
そしてこれがレム睡眠中の夢によって辛い、悲しい、などの出来事に対する感情の記憶を再現、再処理される理由なのでは?と考えられています。
ストレスホルモンが存在しない時だからこそそういった感情の再処理ができる、そう考えると理にかなった仕組みですよね。
レム睡眠は体を休める以外に、記憶した情報のひもづけ、整理、いやな記憶の消去を主に行っている事がわかります。

このように2つの睡眠が一晩にバランスよく繰り返されるからこそ心も身体も疲れが取れるんですね。
私自身も睡眠のバランスを崩したことがきっかけで身体を壊した経験がありますし、子供たちを見ていても日々睡眠の重要性を感じています。
すべての健康は質の良い睡眠から!と言えるくらい私も睡眠を重要視しています。
眠ること、について少し意識を向けてもらえたら嬉しいです。
今回参考にした書籍
□眠れなくなるほど面白い睡眠の話
□睡眠こそ最強の解決策である
□スタンフォード式最高の睡眠
□図解ですぐわかる睡眠薬